「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」見てきました。
海外の批評家だったか、事前に見た人の批評で「人間ドラマが薄く怪獣の戦いばかり」という評価が出てまして点数も低かったんですね。
で、それって自分にとっては最高の褒め言葉なんですよね。
だから逆に期待値が上がっておりました。
そして実際に見たところまさにその批評家さんの言葉そのまま「人間ドラマが薄く怪獣の戦いばかり」という最高の出来になっておりました。
一言で言うと全編通して怪獣が暴れるだけの映画です。
それを楽しむことができるか、その一点がポイントです。
なのでこの映画をオススメしたい人、オススメできない人はそれぞれこんな方です。
こんな人にオススメ
・怪獣たちの大迫力のバトルを見たい人
・前作のゴジラやキングコングが楽しめた人
こんな人にはオススメできない
・重厚な人間ドラマが好きな方
・初代ゴジラだけ好きな人
正直、ストーリーには期待してはいけません。
はっきり言ってネタバレしてもまったく意味がありません。
まあ、怪獣がどんちゃんやってるだけなのでダメな部分もたくさんあるのですが、クライマックスからエンドロールまでが兎に角凄くて最終的には「最高!」という感想しか残りませんでした。
減点方式で見ると60点くらいだけど加点方式で見ると5億点といった感じでしょうか。
また、監督の「自分はゴジラが大好きなんだ!」という気持ちが溢れ出ておりました。そこかしこに日本版ゴジラへのオマージュというか敬意が満載で見ていて嬉しくなってしまいました。
それでは前置きはこれくらいにして感想を書いていきたいと思います。
では行ってみましょう!!
目次
あらすじ
前作から5年後の世界を舞台に、モスラ、ラドン、キングギドラなど続々と復活する神話時代の怪獣たちとゴジラが、世界の覇権をかけて戦いを繰り広げる。
また、それによって引き起こされる世界の破滅を阻止しようと、未確認生物特務機関「モナーク」に属する人々が奮闘する姿を描く。
「ゴジラ」予告編
スタッフ、キャスト、上映時間
監督
マイケル・ドハティ脚本
マイケル・ドハティ
ザック・シールズ音楽
ベアー・マクレアリーキャスト
カイル・チャンドラー/マーク・ラッセル
ベラ・ファーミガ/エマ・ラッセル
ミリー・ボビー・ブラウン/マディソン
渡辺謙/芹沢イシロウ
チャン・ツィイー/アイリーン・チェン原題
Godzilla: King of the Monsters上映時間
132分
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を見た感想・解説
モンスターバース第3作目
本作は2014年に公開されたハリウッド版ゴジラである「GODZILLA ゴジラ」の5年ぶりの続編です。
そして2017年に公開された「キングコング 髑髏島の巨神」とも同じ世界にあるモンスターバースシリーズの3作目にも当たります。
このモンスターバースシリーズの次作は2020年に「ゴジラVSキングコング」が予定されています。
2014年 | GODZILLA ゴジラ |
---|---|
2017年 | キングコング 髑髏島の巨神 |
2019年 | ゴジラ キング・オブ・モンスター |
2020年 | ゴジラVSキングコング |
ちなみに「ゴジラVSキングコング」では監督がきちんと勝負の決着をつける(どちらかが勝者、敗者になる)そうでこちらも超期待です。
キング・オブ・モンスターとキングコング。
2大怪獣が「キング」という名のベルトをかけて戦う作品になるのでしょう。
今作では劇中でも5年後の世界が舞台です。
圧倒される怪獣プロレスが満載
今作最大の見どころはなんといっても日本のゴジラシリーズでおなじみの怪獣たちが総登場し、ハリウッドの最先端映像技術と潤沢な予算を使って描かれる歴代最強の怪獣プロレス、という点でしょう。
今回登場する怪獣はゴジラ、キングギドラ、モスラ、ラドンです。
少し感覚がマヒしてしまってるのですがこれらの怪獣たちがハリウッドの映画で、それも日本ではまず不可能な規模の予算を使って描かれるんですよ。
最近はポケモンやらパシフィック・リムやら日本に関するコンテンツの大作映画が次々と作られているのであれですが、あらためて凄いことだなと思います。
そんな怪獣たちが劇中はとにかく大暴れ。
ハリウッド映画に出演という事でテンションが上がってしまったのか、はたまた狭い日本から広い海外に出られた事の開放感からなのか、のびのびと暴れまわってくれます。
正直映画のストーリーについては考えてはいけません。
頭をからっぽにしてただ映像の迫力にぶっ飛ばされる、それがこの映画の正しい見方だと思います。
とはいえ一言ずつ怪獣ごとの感想です。
モスラ
私はモスラが好きでして、幼虫の姿のモスラが好きなのですが今作ではすぐに繭の状態になってしまうので少し残念でした。
幼虫のモスラが小さいながらも糸をはいてゴジラを追い詰めていくのが応援のしがいがあって好きなんですけどね。まあこれは好みなのでしかたがないですね。
とはいえ成虫になったあとの神秘的な姿はとても美しく活躍シーンもそこそこあったので、まあ満足できました。
ラドン
今回の4体の怪獣たちの中では少しマイナーな感じがしますが、ラドンの暴れるシーンはテンションがあがります。
ラドンが町の上空を飛ぶだけで家が吹き飛ぶほどの風(衝撃波?)が発生します。
そして戦闘機とのドッグファイトシーンがあるのですがこれ場面のかっこよさ。
このドッグファイトシーンを今作のベストシーンに挙げる人も多いのではないでしょうか。まるで小鳥と遊ぶかのように次々と戦闘機を叩き落としてくれます。
墜落しそうになったパイロットが緊急脱出をした直後にパクッと食べちゃうシーンがあり、それが最高すぎて思わず拍手しそうになりましたね。
キングギドラ
ゴジラの最強のライバルといえばやはりキングギドラです。
今作では3つの首それぞれに個性があったりとなかなか面白い見せ方をしてくれます。
ゴジラをとことん追い詰めるパワーは恐ろしいですが、やはりそのシルエットはカッコいいわけです。みてて惚れ惚れしますね。
キングギドラが強いからこそゴジラを応援する気持ちも強くなるわけです。
ゴジラ
今作は戦う相手が多くとにかく忙しいわれらがゴジラさん。
途中で温泉のようなところで療養する場面がありますが、ほとんどが何かしらの怪獣とつかみ合いの喧嘩をしている暴れっぷり。
そして最後にはこの映画のタイトル「キング・オブ・モンスター」に相応しいエンディングが待っています。
観客をふくめ人間たちはまさにこんな感情になります。
当たり前の話ですが、怪獣たちが戦っている間、人間たちはただの傍観者です。ほとんど何もすることがありません。自然災害を前に人間が何もできないのと同じように。
そう、今作では怪獣たちの破壊活動を自然災害のように描いているのが特徴かなと思いましたね。
怪獣映画というよりも災害映画(ディザスタームービー)ですね。
まあ人間は傍観者なわけですが怪獣が暴れている場面でも人間目線の映像が多くてよかったです。
地上の人から見る怪獣プロレスはこんな感じで見えるのか、と思いながら私は見ていましたね。
劇場から外に出た時も思わず上を見上げてここに怪獣がいたらどんな感じかな、と妄想しました。AR技術を使ってもし怪獣がいたらどのようなサイズなのか見られるアプリ欲しいですね。
音楽、エンドロールが最高
今作では映像の迫力だけでなく、音楽とエンドロールが最高でして映像と組み合わさって最高のゴジラ映画体験をすることができます。
ゴジラやモスラのおなじみのテーマ曲が本編でも聞けますし、エンドロールではメドレーの形で流れるのでとにかく最高です。
私が毎日聴いているライムスター宇多丸さんのラジオ番組「アフター6ジャンクション」の中で「ジョーズのようにあのテーマ曲があってのゴジラだ」という話が出ていました。
まさにその通りです。
これまでのハリウッド版ゴジラではあのおなじみのゴジラのテーマ曲は使われていなかったんですよね。
あの曲が加わったことでハリウッド版のゴジラもかなり日本のゴジラに近づいたような気がします。
そして、エンドロールでは出演者の名前の中に
Godzilla : himself
Ghidorah : himself
Mothra : herself
Rodan : himself
とクレジットされているんです!
普通に考えたらこの映画は彼らが主役ですから当たり前のことなんですよね。
こういったところからも制作側のゴジラ愛が伝わってきまして、私は不覚にもエンドロールで泣きそうになりました。
残念な所もそこそこある
今作は残念なところも結構あります。
というか上に書きました怪獣プロレスと音楽、エンドロール以外はいろいろと酷いです。
人間パートはいろんな意味で大惨事す
この映画を見た人で人間側の話を褒める人はまずいないと思います。
それくらい酷いです。
特に敵側の人間はほんとうに酷い。行動理由もわかりません。
これを見た後だとアベンジャーズのサノスが聖人に見えてきます。
主人公もダラダラと説明ゼリフを話し、ただ説明するためだけのキャラクタみたいになっていて、見ててイライラしてしまいました。
怪獣のみなさんこの人間たちをとっとと全員を焼き払ってください、と願ってしまいました。
怪獣プロレスは暗い場面ばかり
予告編を初めて見たときに暗い場面ばかりだったので本編はもっと明るい場面が多いといいなと思ってましたが、結局明るいシーンでのバトルはありませんでした。
怪獣のバトルシーンはすべて暗い場面なのですこし見づらいです。
明るい場面だと映像にごまかしがきかないから難しいんですかね・・・
パシフィック・リムの1作目も暗い場面が多かったのが不満点だったのを思い出しました。
もう少し明るければよかったんですけどね・・・
オキシジェンデストロイヤーの扱いが雑すぎる
今作ではオキシジェンデストロイヤーが登場します。
オキシジェンデストロイヤーとはゴジラ一作目で登場した対ゴジラ兵器で、これを使ってゴジラを倒すんですね。
だからこのオキシジェンデストロイヤーというのはゴジラの世界では非常に重要な兵器なんです。
しかし、この映画では普通のミサイルのような扱いで登場し、スナック感覚で使われてしまいます。
ゴジラといえばオキシジェンデストロイヤーでしょ!みたいな軽いノリで使われているような気がしてしまいました。
日本版ゴジラではこのオキシジェンデストロイヤーを使った影響でデストロイアという怪獣が登場することになるのですが、続編でデストロイアを出さないと納得できないぞ、と思うくらいには雑な扱いでした。
まとめです
残念なことも多いのですが、クライマックスからエンドロールは本当に最高だったので最終的には力技で「最高!」と言わされてしまったような感じがしますね。
重厚な人間ドラマを期待している人は見ない方がいいです。
ゴジラ一作目は核兵器(日本人から見れば原爆ですね)の恐怖を怪獣として描いていておりメッセージ性が強かったわけです。
シン・ゴジラではそれが震災、原発事故の恐怖を怪獣として描いていたので一作目寄りの作りでした。
今作ではそれらのメッセージ性はありません。
最初こそメッセージ性があった日本のゴジラシリーズですが途中から子供向けの怪獣映画になりました。
今作はそれらの子供向け怪獣映画のハリウッド版です。
だから難しいことは考えずに頭を空っぽにして見ましょう。考えたら負けです。
そしてこれは映画館のスクリーン、音響でこそ体感できる迫力です。
私は大好きな立川シネマシティで見ましたが、爆音の振動で建物全体が揺れていました。それくらいとんでもない音響でした。
劇場でなく自宅で見る場合でもできるだけ大きい画面で、そしてできるだけ大きい音で見ることをオススメします。
これを見終えたら、さあ次はキングコングとの最強決定戦です!
おしまい。