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【映画感想】「いちごの唄」銀杏BOYZファンとしては満足、映画ファンとしてはイマイチな出来な一本【ネタバレあり】

「いちごの唄」を「完成披露上映会」で見てきました。

完成披露上映会と名前だけみると招待された人しか見られなさそうですが、これは普通にチケットが発売されたイベントです。

舞台挨拶付きの先行上映って感じです。

映画ファンとしての感想と、銀杏BOYZファンとしての感想があるのですが、なんとも複雑な気持ちになる出来の作品でした。

この映画の感想を点数にすると銀杏BOYZファンとしては80点、映画ファンとしては30点といった感じです。

銀杏BOYZファンとして見た場合

・峯田が書く歌詞の世界観そのままの青春物語

・銀杏BOYZファンにはおなじみの人たちが多くカメオ出演している

映画ファンとして見た場合

・映画オリジナル要素が全体的に蛇足

・説明ゼリフが異常に多い

2018年に発売された小説版は個人的に大好きな作品だったので期待しすぎてしまった感も否めません。

この映画版もストーリーは小説版と同じなので、ストーリーは良いんですよ。

だけど演出が全体的に自分の好みではなかった、といった感じです。

ということで今回は銀杏BOYZファンとして見た場合と映画ファンとして見た場合の視点で感想をまとめてみます。

それでは行ってみましょう!!

予告編

あらすじ

冷凍食品の製造工場で働く笹沢コウタの大親友・伸二は、2人が「天の川の女神」と崇拝していたあーちゃんを交通事故から守り、あーちゃんの身代わりとなって死んでいった。

それから10年、コウタは偶然あーちゃんと再会する。伸二の「死」を背負いながら生きていたコウタとあーちゃんは、伸二の命日に1年に一度「逢うこと」を約束。

毎年逢瀬を繰り返すコウタは、次第にあーちゃんに恋心を抱くようになる。

映画.comより

スタッフ・キャスト

スタッフ
監督
菅原伸太郎

原作
岡田惠和・峯田和伸

脚本
岡田惠和

キャスト
古舘佑太郎 / 笹沢コウタ
石橋静河 / 天野千日
和久井映見 / コウタの母
光石研 / コウタの父
峯田和伸 / ラーメン屋
宮本信子 / 園長先生

上映時間
114分

映画.comより

銀杏BOYZファンとして見た感想

まずは銀杏BOYZファンとして見た感想をまとめてみます。

銀杏BOYZの世界観そのままのストーリーが良い

この映画は2018年に出版された小説「いちごの唄」が原作です。

これは脚本家の岡田惠和さんが銀杏BOYZの楽曲7曲を元に一つの物語として書き下ろされた小説です。

原作となった楽曲は以下のとおりで、一つの曲が一つの章として構成されています。

  1. 漂流教室
  2. 東京
  3. 愛してるってゆってよね
  4. ぽあだむ
  5. 銀河鉄道の夜
  6. もしも君が泣くならば
  7. 恋は永遠

まずこのストーリーは銀杏BOYZの世界観が好きならきっと好きになるでしょう。

まんま銀杏BOYZの世界ですから。

学生時代、友人と陰で女神と呼んでいたあこがれの同級生に就職後、上京した東京で偶然再開。恋心を抱きながらも連絡先は交換することなく毎年七月七日、七夕の日にだけ会う約束をする。というストーリーです。

話の軸になるのは七夕にだけ会う約束をした主人公コウタとコウタが中学時代にひそかに「女神」と呼んでいた女の子、千日(ちか)の関係です。

この映画は現代が舞台なのにSNSどころか携帯電話もほとんど出てきません。

このアナログな感じも銀杏BOYZっぽいです。

偶然再会したコウタは千日に恋をします。

カレンダーを買っては真っ先に七月七日に丸をつけます。一日づつカレンダーに×をつけていまかいまかと七夕が来るのを待っている姿はとても可愛らしいです。

そして片思いしている時のモヤモヤした気持ち、これはいつの時代も変わらないと思いますが相手のちょっとした反応にひとりで一喜一憂する感じがとにかく最高です

そんなモヤモヤした時に寄り添う音楽が銀杏BOYZなんですよね。

この映画の中でもコウタはモヤモヤした時に銀杏BOYZを聴きます。

銀杏BOYZにゆかりのある多くの人がカメオ出演している

銀杏BOYZファンにはおなじみすぎる豪華な方々がさりげなく登場しています。

ブロンソンズ(みうらじゅん、田口トモロヲ)、宮藤官九郎、曽我部恵一、麻生久美子などなど。

あと、見間違いかもしれませんが銀杏BOYZのマネージャーの江口くんも出ていたような・・・

ほんとうにさりげなく登場している人もいたので、もしかしたらエンドロールで名前を見るまで気づかない人もいるかもしれません。

銀杏BOYZファンの人は誰がどこで出ているのか、それを探しながらみるのもいいかもしれません。

主題歌「いちごの唄」が良い

2017年のシングル3作リリースした頃からポップな曲が多くなっている銀杏BOYZですが、今回の主題歌「いちごの唄」も非常にポップで良いです。

これは劇場限定でCDが発売されます。鑑賞チケットを持っている人が買えるらしいのでCDだけを買うことはできないようです。

なので私はもう一回見にいかないといけません。ズルい商売ですね・・・

ただ、AppleMusicなどのサブスク系サービスで配信されそうな予感はしますね。

映画ファンとして見た感想

映画ファンとして見ると全体的に残念な点が多かったです。

全体的に映画オリジナル要素が蛇足

原作は短めの小説です。全部で180ページくらいなので長編というよりは中編にちかいです。

原作は物語もかなりシンプルです。そういったところも私が気に入っているポイントです。

で、この映画を見る前に上映時間が114分であることを知りそんなに長くなる話ではないよな、と思いました。

で、実際に見てみるとストーリーこそ同じなんですが、いろいろと細かいエピソードが肉付けされていたですね。

この肉付けが部分がですね、なんというかほとんどがどうでもいいものばかりでして・・・

メインの人物ではなく脇役の人たちのエピソードを膨らませている感じなんですね。

よく映画は引き算で作れ、と言います。スピルバーグなんかは「自分が気に入ったシーンは最初に切れ」と言われた事があるそうです。

この「いちごの唄」は引き算ではなく足し算で映画にしてしまったことにより原作の良さであるシンプルでテンポの良い物語が鈍重になってしまった感じがします。

どうせ肉付けするなら中学の時代のコウタ、伸二、千日のエピソードを増やしてもらいたかったですね。

コウタと伸二の友情エピソードだったり、千日がどれだけ「女神」に見えたのか。そういった中学時代のキラキラした思い出があるからこそ、のちのちそれが呪いとなっていくわけですから。

それか東京で七夕の日に会った時のコウタと千日の会話ももっと見たかったです。

極端にいうと「ビフォア・サンライズ」のシリーズや「その街のこども」のように男女が歩きながら話をしているだけでもよかったと思います。

この二人の会話がキモなんですから。

コウタと千日は毎年七夕の日に会い決まったことをします。

ラーメン屋でご飯をたべて環七を歩きながら話をする。

そしてとある交差点で別れる。

この交差点で別れたら次に会うのは一年後。

コウタはもちろん別れたくないわけです。

毎年同じコースを歩くわけですから、たとえば「あの看板が見えたらもう少しで交差点に着いてしまう」みたいな事がわかる演出があれば見ている観客側もコウタと同じように交差点にまだ着かないでくれ、という気持ちになると思うんですよね。

見ててもったいないなあと思ってしまいました。

峯田演じるラーメン屋の店主がざんねん

原作者でもある銀杏BOYZの峯田和伸も出演しています。

コウタと千日が毎年会って食事をするラーメン屋さんの店主役です。

このラーメン屋の店主、原作では陰ながらコウタをサポートしてくれるとても良いキャラクタなんです。

個人的には原作では一番印象に残っている脇役です。

配役が発表された時は峯田があの役をやるのはぴったりだし、またおいしい役になりそうで期待できるな、と思ったものです。

しかし、これも凄く無駄というか意味がないというか、この映画版の店主はサポートもなんにもしないんですよ。

ただ話を盗み聞きして変なリアクションをするだけ

二人の会話がメインなのにいちいちこの店主のリアクションが挟まるのでラーメン屋のシーンではこれが非常にノイズに感じました。

ファンサービスも含んでいるのかもしれませんが、個人的には余計な演出だなと思いました。

一言でいうと峯田の無駄遣いといったところでしょうか。

説明ゼリフが異常に多い

この映画はみんなおかしいくらい自分の思ってる事を口で説明します。

この説明が多いところも上映時間が長くなっている原因の一つかなと思います。

せっかくの映画なんだから表情やしぐさなど映像で説明してもらいたかったです。

この映画の最後の最後、カレンダーの演出なんか原作にはないですし、とてもよかったです。

ああいうものをたくさん見たかったです。

まとめです

すいません、後半は文句ばかりになってしまいました。

とはいえ私はいちごの唄が大好きなのは変わりません。

なんでかコウタと千日にはかなり感情移入しちゃうんです。

好きだからこそ厳しめに見てしまうんですよね。

繰り返し見ることで感想に変化があるかもしれませんし、ツイッターを見ると概ねみんな満足しているようなツイートが多いので文句を言う私は少数派なのかもしれないです。

なのでぜひご自身の目で見てチェックしてみてください。

おしまい。