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【映画感想】 スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム エンドゲームとの繋がりは? 【ネタバレあり】

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「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」見てきました。

スパイダーマンの映画としてもMCUの中の一作としてもかなり楽しむ事ができました。

で、これは感想を書くのがなかなか難しい作品です。

作品の性質上、MCUシリーズのネタバレをするのは避けてとおれません。なんせ「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界が舞台ですからね。真の意味でエンドゲームのエピローグとしてみることもできます。

そのためエンドゲームの結末に触れない事は不可能です。

そんなわけで、ここの感想でもエンドゲームの結末にふれています。

そのため、エンドゲームをまだ見ていなくてこれから見る予定だよ、という方はご注意ください。

それでは、行ってみましょう!!

 

あらすじ

「アベンジャーズ」を中心とした「マーベル・シネマティック・ユニバース」の世界に参戦した「スパイダーマン ホームカミング」の続編。「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、スパイダーマンこと高校生のピーター・パーカーが真のヒーローへと成長していく姿を描く。

夏休みに学校の友人たちとヨーロッパ旅行に出かけたピーターの前に、元「S.H.I.E.L.D.」長官でアベンジャーズを影から支えてきたニック・フューリーが現れる。

一方、ヨーロッパの各都市をはじめ世界各国には、炎や水など自然の力を操るクリーチャーが出現。世界に危機が迫るなか、ニックは「別の世界」からやってきたという男ベックをピーターに引き合わせる。

映画.comより

 

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム予告編

スタッフ・キャスト・原題・上映時間など

監督
ジョン・ワッツ

キャスト
トム・ホランド/ピーター・パーカー,スパイダーマン
サミュエル・L・ジャクソン/ニック・フューリー
ゼンデイヤ/ミシェル・“MJ”・ジョーンズ
コビー・スマルダース/マリア・ヒル
ジョン・ファブロー/ハッピー・ホーガン
マリサ・トメイ/メイおばさん
ジェイク・ギレンホール/ベック,ミステリオ

原題
Spider-Man: Far From Home

上映時間
135分

映画.comより

 

本作を楽しむために過去作は何を見ればいいか

あらすじにも記載がありますが、今作はアベンジャーズを中心としたシリーズMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の中の一作です。

このMCUではスパイダーマン単独は今作で2作目ですが、他の作品にもこのスパイダーマンは登場しています。

本作含めこれまでスパイダーマンが登場した作品は以下のとおりです。

1.シビル・ウォー/キャプテンアメリカ(2016年)

2.スパイダーマン/ホーム・カミング(2017年)

3.アベンジャーズ/インフィニティウォー(2018年)

4.アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)

5.スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム(2019年)

なんとMCU全体では5作品に登場しているんですね。

普通のシリーズものであれば前作である「スパイダーマン/ホーム・カミング」だけ見ておけばOK!と言えるのかもしれませんが、そうはいかなくなってきてるのが最近のMCUの難しいところです。

MCU全体でみると前作に当たる「アベンジャーズ/エンドゲーム」で最強のヴィラン、サノスとの戦いが終わりこれまで10年以上続いてきたMCU全体で一つの大きな区切りを迎えました。

そのエンドゲーム後の世界を描く最初の作品が本作「ファー・フロム・ホーム」です。

そのため、エンドゲーム後の世界について話すシーンがかなりたくさんあります。

私が見てて思ったのは「これエンドゲーム見てなかったらさっぱりわからないでしょ・・・」ということです。

そんな感じなのでまずMCUで前作にあたる「アベンジャーズ/エンドゲーム」を見ておくのは必須と言えると思います。

そしてその「アベンジャーズ/エンドゲーム」自体も10年以上にわたって20作品以上作られてきたシリーズの集大成の2部作の後編です。前編は「アベンジャーズ/インフィニティーウォー」です。

だからこの2作品を見ておくは必須だと思います。

スパイダーマン単体では前作にあたる「スパイダーマン/ホームカミング」も主役ピーター・パーカーの周りの人間関係を把握するためには必要です。

まとめるとこんな感じです。

スパイダーマン単体の人間関係を把握するために必要な作品

・スパイダーマン/ホームカミング

 

MCU全体の流れを把握するために必要な作品

・アベンジャーズ/インフィニティウォー

・アベンジャーズ/エンドゲーム

 

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム感想

以下、エンドゲームの結末をふくめネタバレありの感想です。

 

 

本作の位置付け

今作はスパイダーマンの映画ではありますが、それ以前にMCUの一作品として非常に重要な位置付けにある作品です。

アベンジャーズの世界を描く一連のスーパーヒーローシリーズであるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)では前作「エンドゲーム」で最強の敵サノスを倒すと同時にアイアンマンも倒れるという結末になりシリーズ全体で大きな区切りをむかえました。

MCUではシリーズ全体の流れを「フェイズ」という形で区切っており、現在シリーズは第3部にあたる「フェイズ3」という位置にいます。

前作エンドゲームで一区切りついた物語ですが、本作「ファー・フロム・ホーム」が「フェイズ3」が最終作となります。次の作品から「フェイズ4」に突入することになり新しい展開が用意されていると考えられます。

エンドゲームではそのさらに前作にあたる「アベンジャーズ/インフィニティウォー」でサノスに消されてしまった人類の半分の人々を5年後に復活させる事に成功します。

今回のスパイダーマンはエンドゲーム後の世界、サノスに消された人々が復活してアイアンマンがいなくなった世界を舞台にした最初の作品です。

そのためまず劇中の世界が普通ではない状態なため、見ている側もスパイダーマンの物語以前にその世界がどのような状態なのかが気になっているのです。

わたしが個人的に気になっていたのは以下です。

・映画冒頭のマーベルのロゴは変わるのか

・エンドロール後のおまけ映像でこれからのMCUのヒントは出るのか

・アイアンマンのいなくなったアベンジャーズはどうなったのか

映画冒頭のマーベルのロゴというのは以下のものです。

結果から言いますと同じロゴでした。

ということは上のロゴを見るとわかりますが、そのロゴの中にアイアンマン、トニー・スタークが出てくるわけです。

正直、私はこのロゴだけで泣きそうになってしまいました。

MCUではおなじみのエンドロール後のおまけ映像では「MCUのこれから」についてほんの少しだけヒントが示されていました。

そしてアイアンマンのいなくなったアベンジャーズがどうなるのか、これについてははっきりとは描かれていませんでした。

しかし、これからのアベンジャーズに絶対に必要な事はわかります。

何が必要かというとスパイダーマンのヒーローとしての独り立ちです

今作のテーマはヒーローとしての独り立ち

これまでMCUでのスパイダーマン(ピーター・パーカー)は半人前でした。

スパイダーマンとしての前作「ホーム・カミング」ではどうにかしてアイアンマンに認めてもらってアベンジャーズに入れてもらおうとしますが大失敗をしてしまいます。

その後、なんとか一人で事件を解決するもののやっぱり「親愛なる隣人」でいたいと考えなおしアベンジャーズには入りませんでした。

その後のアベンジャーズ/インフィニティウォー、エンドゲームでも正式メンバーではないものの戦いに参加しますが、まだまだ他のヒーロー達から守られているポジションでした。

そして今作ではヒーローとしては父親代わりでもあったトニー・スターク(アイアンマン)がいなくなりピーターは独り立ちしなければいけない状態になります。

これまではスパイダーマンのスーツもトニーに与えられたものでした。それが今作ではMCUで初めて本格的なスーツを自分で作ります。

スーツはトニーが研究に使ってた機械をピーター自身が使って作ります。

スーツを作っている姿をハッピーが暖かく見守るシーンがあり、セリフはないもののとても印象に残るシーンでした。ピーターを見守ると同時にトニーの姿と重ねて見ているハッピーを見て泣きそうになりました

後半ではスパイダーマンの代名詞でもあるスパイダーウェブ(蜘蛛の糸)も使えない状況で敵と戦わなければいけない状態になったりと試練の連続です。

そういった試練をのりこえてこそ真のヒーローになれるんですね。

劇中のスパイダー「ムズムズ」とは何か?

劇中に何度か会話で出てくる「スパイダームズムズ」というのはスパイダーセンスと呼ばれるものです。

スパイダーセンスとは第六感のようなもので自身の危険を事前に察知する特殊能力です。

この能力があるおかげでスパイダーマンは銃弾を避けられたりするわけです。

「ホーム・カミング」ではこのスパイダーセンスの発動するシーンがなくファンの間でも話題になりました。

その後、サノスとの戦いで一瞬発動するのですが、一瞬のみで以降は何も起きません。

今作のラストではこのスパイダーセンスが発動する事でヴィランを倒す事になります。

スーツを自分で作り、スパイダーセンスも身につけることでようやく一人前のヒーロー、一人前のスパイダーマンになることができたという事がわかります。

ミステリオはやっぱりミステリオ

本作に登場するミステリオは原作で非常に人気のあるヴィランです。

普通の人間で特別な能力は持っていませんが特殊効果装置を使って人を欺いたり騙したりすることのプロでスパイダーマンを苦しめます。

人気のあるヴィランですが、実写の映画では今回が初登場です。

そして予告編ではスパイダーマンの味方のように描かれていたので、多くのファンが「どうせ裏切るんだろ」と言っていましたが、やっぱり裏切りました。笑

予告編では他の「世界からやってきた」と話していていよいよMCUでもマルチバースの設定が導入されるのか?と話題になりましたがそれも全部ミステリオの嘘。

観客がマーベルの世界観に慣れてきたからこそできるミスリードでした。

今回のミステリオは劇中の中盤に裏切るのですが、その見せ方が非常にうまい!

また、スパイダーマンを襲ってくる動機がトニー・スタークへの逆恨みだったりしてこれまでのMCUのストーリーにも関係しているのでさすがMCUと思いました。

一時はヴィランの存在感がないと言われていたMCUですが「ブラックパンサー」なども含め最近はいいヴィランが多くていい感じですね。

それにしてもいい大人が高校生をいじめるのは大人気ないなと思ったのは秘密です。

まとめです

繰り返しになりますが、本作のテーマはスパイダーマンの独り立ちです。

本作のタイトル「ファー・フロム・ホーム」というのは「家から遠く離れる」という意味です。

これはスパイダーマンがホームであるニューヨークからヨーロッパに行く物語であるという意味だけでなくヒーローとしての父であるアイアンマンからヒーローとして一人立ちすることで巣立って行くという意味も含まれているのでしょう。

おしまい。