実写版アラジンを見ました。
公開前はジーニーがそのままウィル・スミスな見た目な事が話題になりました。
いきなり見た感想ですが、個人的にはほぼ文句なしの大傑作でした。
正直、2019年のベスト級ではないかと思います。
私はもともと原作であるアニメ版のアラジンが大好きでして、ディズニーの手書きアニメーション作品ではダントツでアラジンが好きです。
そのため、実写版は期待していませんでした。
というかアニメ版が好きだからこそ見たくありませんでした。
アニメの実写化で面白かったものってあまりないですし、思い入れもありますから原作を超えるのはまず無理だろうと思っていたんですね。
しかし、実際見たところ・・・見事にやられました。
とにかく素晴らしかった。おそるべしディズニー・・・
実写版オリジナルの設定や追加エピソード、などの変更点のすべてが作品にとってプラスになっており、結果的に私はアニメ版と同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に好きになったかもしれません。
この作品に限っては個人的に不満点はありません。全部が好きです。
そこで今回はアニメ版との違いを中心に書いていきたいと思います。
個人的に気に入ったところの多くがアニメ版からの変更点だったんですね。
ではいってみましょう！
目次
あらすじ
生きるために盗みを働きながらも真っ直ぐな心を持ち、人生を変えるチャンスをつかもうとしている青年アラジンと、自立した心と強い好奇心を抱き、自由に憧れる王女ジャスミン。
2人の運命的な出会いをきっかけに、それぞれの願いは動き始める。そしてアラジンは、邪悪な大臣ジャファーの甘い誘いに乗り、魔法の洞窟からランプを引き受けるが……。
魔法のランプから登場するランプの魔人ジーニーをウィル・スミスが演じる。
「アラジン」予告編
スタッフ・キャスト・原題・上映時間など作品情報
監督
ガイ・リッチーキャスト
ウィル・スミス/ジーニー
メナ・マスード/アラジン
ナオミ・スコット/ジャスミン
マーワン・ケンザリ/ジャファー
ナビド・ネガーバン/サルタン
ナシム・ペドラド/ダリア原題
Aladdin上映時間
128分公開日
2019年6月7日
アニメ版アラジンとの違いをまとめます
はじめに書きましたが私はアニメ版アラジンが大好きでして本作を良いか悪いか判断するのはアニメ版からの変更が良いか悪いか、ということになるんですね。
そのためここでは具体的にアニメ版とどのような違いがあるのか、という点に絞ってまとめていきます。
まず実写版の大まかな特徴はこんな感じです。
・大まかなストーリーはアニメ版と同じ
・アニメ版の劇中に登場する歌もすべて登場する
・上映時間は実写版が40分長い
上映時間はアニメ版は91分なのに対して実写版は128分もあります。
実写版が40分ちかく長いんですね。
実写版を見る前に久しぶりにアニメ版を見返してみたのですが、テンポの良さに驚きました。
そのあとわたしは上映時間の違いのことを知り、不安な気持ちになりました。
40分ってなかなかの長さですよ。
だからどうせ余計なエピソードが付け足されてテンポが悪くなってるんだろうな、と嫌な予感しかしなかったんですよね。
しかし、実際は余計なエピソードはないし、各キャラクタがより魅力的になり、アラジンの世界がより重厚なものになる作りになっていました。
そしてアニメ版からの変更点はどれもすばらしく見事に現代版アラジンへとアップデートされていました。
ここからは具体的にどういったと点が良かったか書いていきます。
以下からネタバレが含まれます。
最大の変更点はジャスミンのキャラクタです
最近のディズニー作品の特徴としてプリンセスのアップデートが挙げられます。
「塔の上のラプンツェル」あたりからその傾向が見えており、それまでの「王子様がくるのを待っているだけ」だったプリンセス像が変化しています。
きちんと一人の自立した人物として描かれている感じですね。
「アナと雪の女王」では従来の王子様とお姫様の関係性自体がミスリードになっており、王子様であるハンスがまさかの悪者という展開でした。
そして「アナと雪の女王」では「真実の愛」が王子様から与えてもらうものではなく姉妹どうしの姉妹愛であった、という展開でした。
そんな流れがありつつ今作でのプリンセス、ジャスミンも見事に現代の価値観に合わせた形へアップデートされていました。
昨今のmetoo運動やポリティカル・コレクトレス（いわゆるポリコレ）から一人の女性、一人の人間として描かれています。
そのジャスミンを象徴するのがこの実写版で新たに加わった曲、「スピーチレス」です。
まあ、これが神曲でしてまずは聞いて見てください。
もともとアラジンは名曲ばかりですが、あらたな定番曲が加わった気がしますね。
そしてこのジャスミンのキャラクタの変化にともないエンディングの展開も変わっています。
ジャファーを倒し、アグラバーに平和が訪れたあと、身分が違うアラジンとジャスミンは両思いではありますが国の法律で結ばれることができません。
本来はジーニーへの願い事で解決させるはずが、アラジンは3つ目の願い事で「ジーニーを自由の身にする」としてすべて使い切ってしまいます。
ここまではアニメ版も実写版も同じです。
このあとアニメ版では王様が法律を「王女が選んだ相手であれば誰とでも結婚できる」と変えて結ばれます。
それに対して実写版では王様がジャスミンに王位を譲ります。そして国王となったジャスミン自らがアラジンを選ぶという形で終わります。
これも受け身ではなく自らの意思で選択するという形になっています。
主要キャラクタたちの設定が変更されている
ジャスミン以外のキャラクタも出自や性格が変わっており、それぞれのキャラクタとして深掘りされています。
ジャファー
アラジンのヴィラン（悪役）であるジャファーは舞台となる国アグラバーの国務大臣ですが、実写版ではアラジンと同じように貧困層の出身で物を盗んで生計を立てていたという設定が加わっています。
貧困層の厳しい生活から大臣にまでのし上がってきたからこそ、その貪欲さが際立ちますしなぜ国を乗っ取りたいのかという理由づけにもなります。
また、その設定を活かして後半アラジンからランプを奪う場面にも説得力が増しています。
アグラバーの国王
アニメ版の国王は正直、ただの無能な人物でした。
あんな国王だと周りの人や国民も苦労するよな、と子供の頃はじめて見た時から思っていました。
それが実写版ではかなりまともで国民想いな国王へと変更されています。
王宮の衛兵
実写版のアラジンでは王宮の衛兵にもキャラクタ付けを行なっています。
アニメ版では命令にしたがって悪者を捕らえるだけのモブキャラでしたが、実写版では自分の意思、自分の正義に基づいて行動します。
ジャスミンと同じように自立しているキャラクタになっています。
アブー、イアーゴ
アラジンの相棒であるサルのアブーとジャファーの相棒であるオウムのイアーゴ。
この２匹の動物はどちらも人と会話ができない設定です。
アブーはアニメ版でも会話ができませんでした。
しかしイアーゴはジャファーの魔法のせいか普通に会話ができましたが実写版では普通のオウムのようにカタコトの単語を発するだけです。
ちなみに魔法の絨毯はアニメ版とほぼ同じキャラクタです。絨毯なのに不思議と可愛く見えるのが不思議です。
ジーニーにも恋愛相手が登場する
「アラジン」の象徴的なキャラクタ、みんなが大好きなジーニーですが、実写版では見た目こそウィル・スミスですがきちんとジーニーです。
性格などはアニメ版に忠実です。
しかし、アラジンとの距離感が少し違うように見えました。
アニメ版では極端にいうと「ご主人様と願い事を叶える魔神」という上下関係があったのに対して実写版ではドラえもんとのび太くんのような友人に近い距離感でした。
そんな実写版ジーニーの最大の特徴が恋愛相手が登場する事です。
そのお相手はジャスミンの侍女であるダリアです。アニメ版にはいなかったオリジナルの人物です。
本作ではアラジンとジャスミンの物語と並行してジーニーとダリアの物語が描かれます。
ジーニーはあの底抜けに明るいキャラクタなので気づきづらいですが、ランプの中ではずっと一人ですし、たまに呼び出されても人間の言うことを聞くだけなのでかなり孤独な存在ですよね。
そんなジーニーは自由になったら世界中を旅することを夢見ているわけですが、一人ではなく「ダリアと一緒に旅をする」という夢にすることで見ている側としてはより「ジーニーには自由になってもらいたい」と思うことができるようになっています。
実写版アラジンは3歳児でも楽しめた
今回のアラジンは3歳半の娘も一緒に連れていきました。
娘はこれが映画館デビューです。
子供が見るには少し長い作品ではありましたがアニメ版と同じ歌が流れることもあり楽しむことができたようでした。
まあ最後の15分は寝ていましたが・・・
この実写版アラジンですが私はアニメ版が大好きで思い入れもある作品でしたのでどうせ面白くないでしょ、と先入観を持っていたんですよね。
正直、娘が見たいといわなければ映画館に行かなかったです。
わかってはいることですが先入観を持つのはよくないですね・・・
まとめです
実写版アラジンは2019年を代表する一本だと思います。
個人的に悪い点は見当たりませんでした。
老若男女関係なく楽しめると思いますし、今年オススメの映画ないかと聞かれたら私は間違いなくアラジンを挙げます。
2019年はスパイダーバースやエンドゲーム、岬の兄妹など良い映画はたくさんありますが、人を選ばず事前知識もなく楽しめるのはこれではないかと思います。
ディズニーはちょっとね、いまさらアラジン？と思っている人がいたらその考えはいったん捨てて見てみる事をオススメします。
