ニンテンドースイッチ向けの新商品としてリングフィット アドベンチャーが発表されました。
これは通常のコントローラを使うゲームソフトではなく、ニンテンドーラボのように任天堂が得意とする特殊なコントローラを使って遊ぶソフトです。
公開された紹介映像がこちら。
そう、この映像を見て多くの人がWiiで発売され大ブームになったエクササイズソフトWii Fitを思い出すと思います。
任天堂ファンとして見ると「Wii Fitみたいなやつだなあ」という感想だけでなく、まさかのWiiバイタリティセンサーの完成形であったり、いろいろと思ったところがありますのでまとめて書いてみたいと思います。
それでは行ってみましょう!
目次
リングフィット アドベンチャーはスイッチ版Wii Fit
まずリングフィット アドベンチャーは次世代版にアップデートされたWiiFitと考えて間違いないでしょう。
Wii Fitが体重計のような台(バランスWiiボード)に乗って操作するものだったのに対してリングフィットアドベンチャーは両手で持つ少し大きめのリング型コントローラと片方の太ももに巻くベルトにそれぞれJoy-Conを装着して使う形です。
紹介映像を見た時、私の友人は「ブルワーカーにしか見えない」と言ってました。
ブルワーカーとはこんなものです。
これはかつて週刊少年ジャンプなどによく広告が載っていた昭和の健康器具です。
調べたら今でも売ってるようです。笑
ゲーム性が増え運動を継続する事ができそう
エクササイズやダイエットで成功するかのカギは継続できるかの一点です。
Wii Fitはミニゲームのようにエクササイズ毎にスコアが表示されたりしていましたがメニューを繰り返しこなしていくものでした。
それがリングフィット アドベンチャーではRPGのようにステージをクリアしていくことでキャラクタが成長していく要素があります。
冒険を進める設定とする事で継続しやすいように工夫されているようです。
これなら自分でも続けられそうかな、と思いますね。冒険するアドベンチャーモードだけでなく他にもモードがあります。
- アドベンチャーモード
- 従来のようにエクササイズメニューを行うシンプルモード
- ミニゲームモード
スイッチLiteでは遊べないので注意!!
リングフィットアドベンチャーはリング型のコントローラと太ももに巻くベルトにそれぞれJoy-Conを装着させて使うソフトです。
ということはJoy-Conが必須になるわけで、コントローラと本体が一体になっているスイッチLiteでは遊ぶことができないことになります。
こっちのタイプでないと遊べないので要注意です。
Wiiバイタリティーセンサーが商品化されていた
リングフィット アドベンチャーは脈拍計測機能があります。
これがかなりの驚きでした。
なぜかというと、かつてWiiでは脈拍を測る周辺機器Wiiバイタリティセンサーという周辺機器の発売が予定されていました。
このWiiバイタリティセンサーが発表されたのは2009年でした。
E3という世界最大のゲーム見本市で大々的に発表されたものの、その後は詳細が発表されることはありませんでした。
それから4年後の2013年の株主総会の質疑応答の場で株主から開発の進捗状況についての質問があり、岩田社長(当時)が開発が凍結された旨の回答を行っています。
以下に質疑の内容が掲載されています。
ある程度でき上がってから社内でかなり大規模なモニターをしてみたところ、その理論どおりに反応が表れないという人がいることもわかりました。例えば、「100人の方に試していただいて、90人は期待どおりに動くが、10人には期待どおりにならない」というものを商品化できるのか、ということを考えました。「発表しただけで、その後、具体的なことに言及しないのはおかしい」というご批判については申し訳なく思いますけれども、一方で、いったん発表したので、問題があると分かっていながら市場に出すというのはもっとよくないことだと思います。
中略
もっと技術が進み、100人のうちの90人ではなくて1000人のうち999人が問題ないという状態になりましたら、初めて商品として世の中に出したいと思います。本当は1000人のうち1000人でなければいけないとさえ私は思いますが、(生体信号という個人差のある情報を活用する以上は、)「あらゆる人に」というのはさまざまな意味で無理があるかもしれません。
いずれにしても、現在は、「商品として受け入れていただくには不十分な仕上がりだ」という判断で発売がペンディング状態になっております。
この質疑応答から推測するに当時は100人中90人しか想定した動作をしなかったため、ペンディング(保留状態)になっていた。技術が発達し、1000人中999人で想定した動作をするようになったからリングフィット アドベンチャーで商品化された。
ということになるのでしょう。
そんな紆余曲折あった「脈拍計測」なのにスイッチの標準コントローラであるJoy-Conでできる事をさらりと発表するのが任天堂らしいですね。
任天堂はバーチャルボーイでの失敗を元に3DSでは3D映像は裸眼で見えるようにしたり、ニンテンドー64で開発中止になったマザー3をゲームボーイアドバンスで復活させたり、と苦い経験を元に後で別の形にして商品化することが多いです。
実際は表に出ていないだけでこういったケースは山のようにあるのは間違いないですね。
Nintendo Directの翌日に発表したことの意味
このリングフィット アドベンチャーは発表の仕方が上手すぎました。
最初の情報が出たのは2019年9月5日でした。
最近の任天堂は新しいゲームソフトの発表はニンテンドーDirectという年に3回ほど新作を発表する映像を配信しており、ほとんどのソフトがここで発表されます。
で、実は前日の9月4日にこのニンテンドーDirectが配信されているんですね。
そこでは2020年初頭くらいまでの新作ソフトを一気に発表していました。
大量のソフトが発表され情報を整理するだけでも大変でした。
普通に考えたらリングフィット アドベンチャーもそこで一緒に発表するように思うのですが、翌日に個別で発表したんです。
従来のゲームをきちんと発表してから特殊なソフトを発表する、という形です。
この方法はとてもうまい宣伝の仕方です。
かつてWiiやニンテンドーDSではゲーム人口の増加を目標として、Wiiスポーツや脳トレといったソフトでそれまであまりゲームに触れてこなかった人たちもゲーム機を購入するような現象が起きました。
大ブームとなって大成功した反面、従来のゲーマーはそういったソフトにあまり興味を示しませんでした。
従来のゲームと一緒に発表した場合、リングフィット アドベンチャーはコントローラの形などから目立ちますし話題にはなるでしょうが他のソフトの印象が薄くなりますし、従来のゲーマーには「自分たちには関係のないニュース」と捉えられてしまう可能性がありますからね。
だからまずは従来のゲーマーを満足させてゲームをあまりやらない人向けの情報はそのあと
という戦略で発表しているのでしょう。
そして発表の場を分けることで任天堂に関する話題が途絶えることもなくなると。
リングフィット アドベンチャーは売れるのか
ニンテンドースイッチの発売から2年半が経ちスイッチLiteやポケモン本編、どうぶつの森が登場することでいよいよ本格的に3DSの後継機というポジションで展開していきます。
これは既存の購入者の買い替えではなくまだスイッチを持っていないユーザ層をターゲットにしているのでしょう。
そしてこのリングフィット アドベンチャーでもまだスイッチを持っていないユーザ層、且つさらに据え置きゲームとも携帯ゲームとも違った層をターゲットにしているように見えます。
はたして売れるのか。
WiiFitは日本だけで300万本も売れ、それこそ社会現象になりました。
さすがにリングフィット アドベンチャーがWiiFitほど売れるとは任天堂も考えていないでしょう。ニンテンドーラボも爆発的な売れ方をしたわけではないですしね。
ただエクササイズソフトは一定の需要があります。
スイッチではFit Boxing(フィットボクシング)というソフトが発売しており2019年4月時点で30万本も売れています。
個人的にはニンテンドーラボと同じくらいの売上になるのではないかなと思っています。
幅広いジャンルのソフトが発売されるというのはゲーム機の理想です。究極的にはすべてのゲームが一つの機器で発売されればみんなそれを買うわけですから。
私はあたらしい体験ができるソフトが大好きですし、そういったあたらしい驚きを与えてくれるところが任天堂を好きな理由なのでとりあえず私は購入してみようと思っています。
1週間ごとにレポートを書いていくのも面白いかも、と考えています。
まとめです
というわけでリングフィット アドベンチャーについて思ったことを一気にまとめて書いてみました。
一つ残念なことがありまして、このソフトは毎日起動させるソフトになると思うのでダウンロード版が適していると思うんです。
しかし、今のところダウンロード版を購入できるのは任天堂直営のオンライスであるマイニンテンドーストアだけなんですよね。
正直、マイニンテンドーストアは割引なしの定価販売なので買うのを少しためらってしまうのですが、まあ、結局は買うことになるんですけどね。
買ってみたらあらためて記事にまとめてみますね。
おしまい。